- 私だって大変なの!
- ぜんぶ私が悪いって言いたいの?
- そっちだってあの時は!
夫婦の話し合いにゲンナリしませんか?
ここに辿り着いたあなたなら、首がモゲそうになるほど頷いているのでは。(笑)
数え切れぬほど夫婦喧嘩を重ねた私が、
- なぜ夫婦の話し合いは平行線なのか
- どのようにして、わかり合えたのか
をお話しします。
血の涙を流しながら(大げさ)見つけた原理原則。
会社員の私たちだからこそ実践できる方法です。
この記事が、あなたの家庭に平穏をもたらすヒントになれば嬉しいです。
1.夫婦の話し合いが平行線でこじれる悲劇
夫婦の話し合いはこじれます。
飲み会のネタになるだけなら良いですが、そうもいきません。
話し合いができない夫婦には悲劇が待ち受けます。
話し合いのテーマは、多岐にわたります。
- 夕飯の献立
- 週末の予定
- 家事の作法
こんな、些細な話し合いもあれば、
- 家事分担
- 教育方針
- 住宅購入
- 家計管理
など、人生を左右する重要な話題もあります。
この記事を読んでいるあなたは、些細な話し合いですら揉めていますよね。(←決めつけてすみません。私はそうだったものですから・・・。)
そんな夫婦が重要な話題を話し合えるでしょうか。
もしも禍根を残したなら、のちに大きな問題を生みます。
たとえばの話です。
- 賃貸派の夫と持家派の妻が対立・・・
- 妻に押し切られ、納得できないままに持家を購入することに・・・
- 望まない持家と引き換えに、35年ローンを背負うことに・・・
のちに夫は思います。
- 35年もローン返済の重圧に耐えるのか・・・
- また小遣いが減るかもしれない・・・
- 会社の飲み会や、晩酌のたびに小言を言われるのか・・・
- 家族旅行や外出も節約しなければ・・・
- 賃貸で十分なのに・・・
ことあるごとに妻への不満を覚えます。
今後の話し合いは今まで以上に揉めるはず。
そして妻は気づきます。
念願の持家と引き換えに平穏な家庭を失ったことに。
話し合いができない夫婦は、重要な局面でも納得できる結論を出せません。
2.なぜ、夫婦の話し合いは平行線なのか
なぜ夫婦の話し合いは、いつまでも平行線なのでしょうか。
ひとことで言えば、
“異なる価値観の人間がひとつの領域で生きるから”です。
夫婦間の話し合いの難しさは、米朝首脳会談とほぼ同じです。
・・・流石に大げさですかね。(笑)
でもほんとうに、構造と難しさは外交と変わりません。
夫婦も国も”異なる価値観の人間(夫婦/米朝)がひとつの領域(家/星)に生きる”という意味では同じ。
外交にたとえながら、揉める原因を解き明かしてみます。
頭が悪いクセにすみません。
夫婦の話し合いの難しさと深刻さを、わかりやすく伝えたいのです・・・!(真剣)
2-1.夫婦の話し合いが平行線なのは、自分を守りたいから
外交の目的は自国の利益を守ること。
もしも自国を攻撃されたら自衛します。
人間は自分を中心に考える生き物。
あのドラえもんも、そう言っています。(勉強になります)
どっちも、自分が正しいと思ってるよ。
ドラえもんの名言ランキング
戦争なんてそんなもんだよ。
話し合いが揉める夫婦も、お互いに“自分を守りたい”と思っています。
- 自分がしあわせに生きたい
- やられたらやり返す(半沢直樹)
言葉 | 意図(自分を守りたい気持ち) |
私だって大変なの! | これ以上の負担増やしたくない |
ぜんぶ私が悪いって言うの? | 自分の非を認めたくない |
そっちだってあの時は! | 攻撃を受けたなら仕返しを |
2-2.夫婦の話し合いが平行線なのは、相手を信用していないから
外交が揉める原因は相手への不信感。
本音を隠され、出し抜かれ、奪われた過去。
またの略奪を防ぐため、猜疑心を抱きます。
話し合いがこじれる夫婦も同じです。
- なし崩し的に押し付けられた家事
- パートナーに隠しごと
- “そんなこともできないの?”などバカにした言葉
こんな過去に疑心暗鬼。
グラついた信頼関係では、話し合いも揉めて当然です。
2-3.夫婦の話し合いが平行線なのは、余裕がないから
戦争のトリガーは、経済制裁や軍事的緊張の高まりが限界を超えたとき。
議論や対話の余裕をなくしたとき、武力行使に至ります。
夫婦間の関係も同じです。
日常の不満が限界を超えると歩み寄る余裕をなくし喧嘩に至ります。
3.夫婦の話し合いが平行線の秘策。会社員だからできる家族会議術。
さて、夫婦間の話し合いの難しさを語りました。
(でも、ほんとうに難しいですよね)
いよいよ、どのようにして夫婦の話し合いを成功させるか。
秘訣をお伝えします。
成功のヒントは、私たちが会社員であること。
会社での私たちは、困難な話し合いをこなします。
そう、会議です。
会議の技術を応用し、私たち会社員だからこそ実践できる“家族会議術”をここに記します。
3-1.家族会議のマインドセット
はじめに、夫婦の話し合いに欠けがちなマインドをお話しします。
3-1-1.家族は仲間
私たちは、大きく間違えた意識で話し合いに臨んでいます。
妻は敵ではありません。
敵国ではなく、同じ国の仲間。
夫婦は仲間です。
“自己の利益”を求めれば揉めて当然。
話し合いの目的は“家族の利益(夫妻のしあわせ)”です。
3-1-2.普段の信頼が基盤
話し合いの前に成否は決まっています。
・・・すこし言い過ぎたかもしれません。
でも、かなり大切です。
普段、奥さまの話を聞いていますか?
・・・私は聞いていませんでした。
家に着き、ようやく一息つけると思うと妻は口を開きます。
- 一日の出来事
- ママ友との会話
- 子どもに関わる相談
私は思います。
“めんどくさい”
- 聞くフリをして話を聞き流す
- なんでも良いよと丸投げする
- 話を途中で遮る
こんな普段の行動が信頼関係を壊します。
積み重ねた信頼関係が話し合いに成功をもたらす基盤です。
3-1-3.議論と討論を理解する
奥さまを言い負かそうとしていませんか?(・・・私はしていました)
議論は「結論を出すための話し合いのこと」。
「議論」と「討論」の違い・意味と使い方・使い分け|違い.site
複数人で話し合って、何らかの結論を出すことが目的とされています。
討論は「正解を出すための話し合いのこと」。
何が正解かという意見を各自で出し合い、それぞれが論戦をしていく状況になります。
したがって、相手を論破するような状況が生まれやすいのが討論の特徴でもあるのです。
話し合いは、そのとき限りではありません。
夫婦はこの先、何度も話し合いをします。
残した禍根は次の話し合いをこじらせます。
私たちがすべきは討論でなく“議論”。
話し合いの目的は”家族として最良の結論“を出すことです。
3-1-4.議論と対話を理解する
会社の会議とは異なる重要なポイントです。
議論が平行線なら“対話”に移りましょう。
“議論”と”対話”の違いはこのとおり。
議論の目的は、結論を出すこと
「議論」は、結論を出すことが前提になっています。「結論を出す」ため、たとえ参加者が納得していなかったとしても、話し尽くさず、結論を出すことに急ぎがちになります。
そのため、後から「本当は、こうしたかった」「そもそも良いと思ってなかった」と、ちゃぶ台返しが起きることもあるのです。対話は結論に固執せず、背景を理解し合う
話し合いや会議を良くするためには、「議論」ではなく「対話」へ導くことが必要/グラフィックファシリテーションの教科書|ダ・ヴィンチWeb
「対話」は、結論を出すことに固執しません。話し合いや会議の参加者が、お互いの意見や主張の「背景」を深く理解し合うことを大切にします。
会社では議論が決着しなければ、より強い権限を持つ上司に判断を委ねます。
ところが夫婦は対等。会社のようにいきません。
実は、夫婦の話し合いは“結論が出ずともOK”。
離婚の原因によくあげられる“価値観の違い”ですが本質は、
“価値観の違い”ではなく、
“価値観の違いを認められないこと”です。
相互理解が夫婦の絆を強くします。
3-1-5.分かり合えないを分かり合う
夫婦という親密な関係だからこそ、パートナーと分かり合えないことに苛立ちを覚えます。
夫婦や親友間で時に生じる「この辛さを分ってもらえない」という不満のベースには、《皆一緒》という関係のみを当該の相手との間に想定すること(かつては親しい間柄においてはそれがごく自然だった)があるといえる。「分かり合う」「一緒の」間柄であるはずなのに、相手がそうでないことへの不満があり、相手に対する非難になる。
《分かり合える》と《分かり合えない》のはざまで または《皆一緒》にして《人それぞれ》である私たち|東京大学
でもパートナーは他人です。(赤の他人という意味ではありません。)
二人は自立した人間同士。
“分かろうと努める姿勢“が平行線の話し合いを成功に導きます。
「端的に分かることはできないが、分かろうと努めることはできる」ということである。 例えば、本人と医療者との間で「あなたが見ていることを私も共に見たい」という姿勢で、相手の傍らにいようとし続ける時、その姿勢が「私のことを分ろうとしてくれた」と受け容れられるのではないだろうか。
《分かり合える》と《分かり合えない》のはざまで または《皆一緒》にして《人それぞれ》である私たち|東京大学
3-1-5.体調に配慮する
体調が悪いと冷静な話し合いはできません。
とくに女性は、周期的な揺らぎに悩むもの。
お互いの体調に配慮し、落ち着いて話せる時間を確保すると良いですよ。
3-2.家族会議のスキルセット
さて、いよいよ、具体的な家族会議術をお伝えします。
会議の技術を応用し、夫婦の話し合いを成功させる方法を、3Stepにまとめました。
私たちは、“無意識”に自分の利益をゴールに設定します。
その時点で、話し合いは、利益の奪い合いになります。
ポイントは“家族のしあわせ”をゴールにすること。
・・・すこし、イメージしずらいでしょうか。
たとえば、このようにゴールを見直すだけで、成否の変化を想像できるはずです。
揉めるゴール | 成功するゴール |
自分がつらいから、 家事を見直したい | 自分が倒れると家族を守れないから、 家事を見直したい |
話し合いを始める前に、必ず口に出します。真面目に。
妻に伝える問題や原因は、“決して妻への不満や攻撃ではない”ことを。
これを理解してもらわねば、喧嘩になります。
現状と問題の説明を省き、解決策だけ伝えては、失敗します。
男性は、自分の弱さを隠しがち。
でも妻は、私たちが抱える問題の深刻さを知りません。
全容の見えない提案に、妻は不信感を抱きます。
私たちが、解決策に至った思考のプロセスを共有すると、意外にわかってもらえるものです。
このとき、妻が持つ不平・不満も引き出します。
ひとつ屋根の下に暮らす夫婦。
私たちの問題の周辺に、妻も同様の悩みを抱えているかもしれません。
妻の問題もあわせて解決を目指すなら目指す方向は同じ。前向きな話し合いができるはずです。
解決策を提案するときは、妻にもたらす利益もていねいに伝えます。
揉める提案 | 成功する提案 |
家事がつらいから、 家事代行を使いたい | 自分もツラいし妻にも自由な時間をつくりたいから、 家事代行を使いたい |
同時に、妻にもアイデアを求めます。
互いにアイデアを交わし、どのような方法が夫婦にとって最適か。
よく話し合えば、互いに納得感を得られます。
もし、話し合いが喧嘩に発展したら、仕切り直しましょう。
結論を急がなくても大丈夫。
何度でも話し合えばOKです。
先に伝えましたが、議論が平行線なら、諦めも大切。
夫婦の話し合いは、結論がでなくてもOKです。
“より深く相手を理解できた”という成果は残ります。
いつか、ふと新たな解決策が閃いたとき、より深い話し合いができるはずです。
4.夫婦だからこそていねいな話し合いを。平行線から歩み寄ろう。
気を許せる夫婦だからこそ、ていねいな話し合いを。
この”家族会議術“を実践すれば、夫婦の話し合いが変わります。
この技術を編み出したときだけは、会社員で良かったと思いました。(涙)
家庭は心の支え。
あなたの家庭に平穏が訪れることを願います。
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