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上司から詰められたとき、こんな落とし穴にハマっていませんか?
- 悪いのは自分、自分の努力が足りないんだ・・・
- 自分のためを思い指導してくれているんだ・・・
- 上司は嫌われ役を演じてくれているんだ・・・
もし、こう思いながら上司に詰められ続けているなら、この記事が役に立ちます。
ここで伝える方法が、詰められるストレスから、あなたを守ります。
この記事では、以下の内容を解明します。
- なぜ、私たちは詰められるのか?
- そして、どうすれば詰められるストレスから自分を守れるか
そのカギは“ハラスメント”と”指導”の見極め。
さらに、ケース(“ハラスメント”・”指導”)に応じた解決策、具体的な5ステップをご紹介します。
この記事が、詰められる悩みを解決するヒントになれば嬉しいです。
いま、詰められた直後で沈んでいるなら、この記事も参考にしてみてください。
1.なぜ、私たちは詰められるのか?”ハラスメント”と”指導”の見極め術
現代風のパワー・マネジメントともいえる、上司が部下を「詰める」という企業文化。
上司が部下を「詰める」という日本特有の文化は、本当に生産性を上げるのか?(前編)|ビジネス+IT
・◯◯さぁ、そんなことじゃクビになるよ、なんでやらないの、前もいったよね?
・君の一時間にクライアントからいくら払われてるか、わかってる?
・何でできないんだよ!ヤル気あるの?
・もう一回やってきて。完璧にしてから持ってきて!完璧だよ、完璧。完璧の意味、わかってるよね?
はじめに。
仕事において、“詰める”とは、どういう意味でしょうか。
この記事では、上司からの“厳しい問い”とします。
もう少しかみ砕くと、“相手を責めながら、厳しく問いただすこと”。
厳しい質問で部下を追い込み、逃げ場のない状態にすることです。
詰められた部下は、
- 逃げ場を失い
- 頭が真っ白になり
- 思考停止します
さらに、詰められる悩みは、その特性が事態を深刻にします。
悩みの本質は、“詰める”行為が“絶対的な悪”か判断に迷うこと。
- 詰められる原因は自分にあるのか
- この厳しさは期待の裏返しなのか
- それとも上司がおかしい(パワハラ)のか
こんな迷いがありませんか?
それが落とし穴です。
“厳しい問い”が、
- 部下の成長を願ったものか
- ただの攻撃か
この違いにより、私たちの結末と必要な対策が変わります。
ここでは、自分を守る”カギ“となる“ハラスメント”と”指導”の違いを解説します。
1-1.ハラスメントと指導の概念的な違い
はじめに。
厚生労働省では、以下のようにハラスメントの類型を示します。
ハラスメントの類型と種類|厚生労働省
「”詰められる”ことが”②精神的な攻撃“に該当するか」がポイント。
下の表では、ハラスメントと指導の“概念的な違い”を整理しました。
項目 | ハラスメント | 指導 |
目的 | 自分の満足や支配 | 部下の成長 |
効果 | 部下のストレスや苦痛 | 部下のスキルや知識の向上 |
対象 | 部下の人格や尊厳 | 部下の仕事の内容や方法 |
基準 | 自分の感情や欲望 | 仕事の目標や期待 |
方法 | 権力や優位性をひけらかす | 正しいやり方や改善点に導く |
態度 | 軽蔑や侮辱 | 尊重や理解 |
言葉 | 攻撃や罵倒や脅迫 | 説明や問い |
反応 | 無視や否定 | 確認や評価 |
簡単に言えば“誰のため”に詰めているか。
目的 | ハラスメントor指導 |
上司のため | ハラスメント |
部下のため | 指導 |
“なんとなくはわかるけど、自分の上司はどちらだろうか・・・。”
そう思ったあなたも大丈夫。
ここでは、なんとなくわかればOKです。
1-2.ハラスメントと指導の言動的な違い
“誰のために詰めるか”により、上司の言動が変わります。
言動 | ハラスメント | 指導 | |
使う言葉 | 概要 | 部下自身を否定、攻撃する言葉をつかう | 仕事を対象に、部下に考えさせる言葉をつかう |
例 | 「なんでまた失敗したと思う?小学生でも一度で言えばわかるよ」 「この場合はどう考えるの?想定が甘い。よくそれで今までやってこれたね」 「自分で考えてみようか?子どもじゃないんだから」 「なんで報告が遅くなったの?ふざけんなよ」 | 「なんでまた失敗したと思う?」 「この場合はどう考えるの?想定が甘い」 「自分で考えてみようか」 「なんで報告が遅くなったの?」 | |
部下への配慮 | 概要 | 部下が精神的苦痛を感じる環境で詰める | 部下の精神面に配慮をする |
例 | 長時間延々と詰め続ける 人前で大声で詰める 部下の言い分を聞かない 普段から部下に攻撃的な態度をとる | 部下が理解した時点で終える 人目に付かないよう指導する 部下の言い分も聞く 普段や指導後はフォローがある |
さて、あなたの上司はどちらでしょうか?
これからは、“ハラスメント”と”指導”のケース別に、“なぜ詰められるのか”理由をひも解きます。
2.ハラスメント的に詰められる2つの理由
なぜ、パワハラ上司は私たちを攻撃するのでしょう。
ハラスメントの目的は、上司の満足。
怒りなどのネガティブな感情を、私たちにぶつけ発散しています。
パワハラが起きる2つの理由をお話しします。
参考:【パワハラ対策の前に】パワハラが発生するメカニズムとは?背景にある行為者と職場の要因を解説|アドバンテッジジャーナル
2-1.上司が自分を絶対的存在だと思っている
部下に何をしても、許されると思っています。
権力を盾に、部下をあなどっているから。
たしかに、日本は上位下達の組織構造※、年功序列(儒教文化)※※が根強く残ります。
上司が絶対的存在な会社も多いですよね。
※自衛隊揺さぶるセクハラ、パワハラ問題 背景に「女性少ない」「上意下達」の特殊環境|産経新聞
※※昔の先輩が自分の部下になってしまったらどうすればよいか〜年功序列逆転時代のマネジメント〜|YAHOO!JAPANニュース
2-2.上司が部下を人間だと思っていない
“部下の尊厳や感情に配慮をしない”ということ。
部下を自分の道具としてしか見ていません。
たとえば、自転車のハンドルを右に切ったのに曲がらなかったら。
”危ない、なんだこの不良品!”
そう思いますね。
そのとき、自転車の感情に配慮はしません。
それと同じ感覚。
恐ろしい感覚です。
3.指導的に詰められる3つの理由
つぎに、指導として詰められるケースです。
なぜ、ふつうに”指導”せずに詰めるのでしょうか。
それは、部下に自分の頭で考えて欲しいから。
・・・たしかに、自分で考えることは思考力や判断力を養います。
ただし、お豆腐メンタルの人間を詰めても効果なし。
なぜなら、詰められると思考停止しますからね。(私もそうでした)
そして、指導だとしても“あなたが受けたストレスは事実”。
ここからは、上司が“指導”として詰めてしまう3つの理由をお話しします。
このストレスへの対策も紹介するので、さいごまで読み進めてくださいね。
3-1.上司が部下に期待しすぎている
期待と現実を見誤っています。
自分の能力を基準に”これくらいならできるだろう”と判断した過剰な期待。
上司に、下の力が不足すると部下を詰め、部下は苦しみます。
- 部下の状況や能力を把握する力
- 状況や能力に応じた指導をする力
3-2.上司の感情コミュニケーション力不足
叱られるのが好きな人は少ないはず。
ふつうの上司は、叱られる側の感情を考え、叱り方を調整します。
- 部下の性格を理解する力
- 部下の感情を読む力
- 部下に配慮した表現をする力
これらの力が不足すると、叱り加減を誤ります。
3-3.上司の指導スタイルが昭和
上司や会社の体質が古いかもしれません。
“厳しさこそ優しさ”的な。
むかしは正解だったかもしれません。
でも、いまは令和。
そのスタイルは時代遅れです。
4.詰められると思考停止。ストレスに耐え続けるリスク
ハラスメントか指導か。
いずれにしても、“あなたがつらいこと”は事実です。
詰められて思考停止。
弁解しようにも頭が真っ白。言葉がみつからない。
“おい、聞いてんのか?”と上司からの追撃。
“申し訳ありません”の一言を絞り出すのに精一杯。
下手な言い訳をすれば、倍返しの激詰め。
詰められた後も、上司の言葉が頭を支配。
- なにが悪かったのか
- どうすれば良いのか
繰り返し思い出し、グルグル悩んでしまいます。
この状態が続けば、いつか限界を迎えます。
最悪の事態は、体調やメンタルが壊れること。
取り返しがつかないかもしれません。
私たちが自分を守るには、どうすれば良いのか。
これから、ケース(“ハラスメント”・”指導”)に応じた解決策、具体的な5ステップをご紹介しますね。
5.ハラスメント的に詰められるストレスから自分を守る5つのステップ
はじめに断言します。ハラスメントは悪です。
あなたは悪くありません。
・・・でも、上司は変わりません。
自分の身は自分で守るしかありません。(世界は理不尽)
ストレスから身を守る5つのステップをお話しします。
5-1.上司にアドバイスを求める
ハラスメントの場合、上司からの”厳しい問い”を真剣に考えても答えはでません。
なぜなら、感情の発散が目的だから。
まずは、上司に聞いちゃいましょう。
“無理無理無理!”と思うかもしれませんが聞き方次第。
たとえば、
“申し訳ありません・・・。
XXさん(上司)のご指摘にお応えできる策が考えられません。
・・・いつもXXさんのご指摘はおっしゃるとおりだと思うのですが、どうすれば良いかわからなくて・・・。
XXさんならどう考えるか、ご助言いただけませんか?“
上司の自尊心を満たしつつ教えをこえば、アドバイスをくれるかもしれません。
ただ、パワハラ上司に期待は禁物。
高確率で“そんなこと自分の頭で考えろ”と突き放されます。
そうなら次のステップへ。(涙)
5-2.適当に受け流す
ステップ1を試しても詰める上司はもうダメです。(見切り早い)
そもそも上司がスッキリしたいだけ。
真面目に応えても、何も得られません。
適当に聞き流しましょう。
そうですね。
- 犬が怒ってるとか
- 赤ちゃんが泣いてるとか
- 自分の知らない言語で道を聞かれてるとか
- 電車の音がうるさいなぁとか
そんな感覚で聞いたら良いですよ。
あとは、すこし発想を変えてもよいかも。
- “雑音を聞いているだけで給料をもらえる”そう思うとお得な感じもしますね。
- “メンタル鍛え装置で今日も鍛錬している”と思えば、成長できるかもしれません。
5-3.人事や労働組合に相談する
ステップ2で耐えられなければ、人事や労働組合に相談しましょう。
まともな会社なら、しかるべき措置をとるはず。
相談時は、以下のポイントに注意です。
- 上司と関係のない人に相談する
- 具体的な事例や証拠を提示する
- 感情的にならずに冷静に話す
5-4.逃げ道を作る(転職活動)
ステップ3でダメな場合、会社に見切りをつけた方がよいですね。(涙)
会社ごとダメです。
いつでも逃げられるよう転職活動をはじめましょう。
“転職って・・・そんな簡単に言われても”
そう思うあなたにこそ、転職”活動”の有益さを知ってほしいです。
私も知りませんでした。実は、転職しなくても選択肢を持つだけで心が楽になるんですよ。
5-5.逃げる(転職)
ステップ4で耐えられなければ転職です。
私たちにできる努力は、もうありません。
あとは環境を変えるしかないですね。
6.指導的に詰められるストレスを学びに変える5つのステップ
悩ましいのが、“指導”として詰められるケース。
目的は部下の成長。完全悪と言い切れない。
だからこそ“落とし穴”となります。
詰められること自体もストレスですが、目的を否定しきれないのでタチが悪い。
自分を責め、ストレスが大きくなります。
理由はどうあれ、ダメージを受けること自体は、ハラスメントのケースと同じ。
そこで、ここからは、詰められるストレスを軽減する思考、詰められる機会を学びに変える5つのステップを紹介しますね。
6-1.仕事への指導だと受け止める(自分は否定されていない)
まずはマインドセット。
これがストレス軽減にもっとも重要です。
詰められると自分が否定されたと感じますよね。
- どうしていつも詰められるんだろう・・・
- 自分は今まで何をしてきたんだ・・・
- 自分は無能なんだ・・・
強く意識したいのは、あくまで“仕事への”指導であること。
人格否定はされていません。
なおすべきは、人格ではなく仕事。
ちなみに、優秀な上司はそれを意識した指導をします。
ダメ出しをスムーズにするにはどうすればいいか。ポジティブ・フィードバックと同様、「客観的な事実」を伝えるのは重要です。しかも、ダメなところを「性格や能力」とするのでなく、その人の「行動」であるとするべきでしょう。
ダメ出しで「部下の心を折る上司」に欠けた視点|東洋経済ONLINE
あなたが傷つく必要はありません。
・・・そうは言っても、心はダメージを受けるもの。
それでも、人格否定ではないと理解しておくだけで、心を立て直す支えになるはずです。
6-2.問題をよく理解する
次に、仕事の問題をよく理解すること。
ただのストレスを学びに変えるには、このステップがもっとも大切。
上司が詰める意図は”部下に考えて欲しいから“。
でも正直、詰められると思考停止しますよね。
結果、おなじ失敗を繰り返します。
なぜなら、問題を理解しなければ、対策は打てないから。
本来は、部下の理解度の応じて上司に導いて欲しいですが、期待はできません。
私たちがすべきは、問題の理解。
問題の原因を自分で考え、上司と確認しながら、理解を深めましょう。
たとえば、以下のような失敗を例に考えてみます。
なぜ期限に遅れたんだ?
と詰められたときに、以下のように原因を考えます。
失敗 | 問題の原因分析(why) |
期限に遅れた | 期限に遅れた (Why)→XX作業が遅れ、後続作業が遅れた (Why)→XX作業の依頼が遅かった (Why)→各作業の期日の管理をしていなかった |
自分の考えを説明し、上司とすり合わせます。
“申し訳ありません・・・。直接的な問題は、XX作業の遅れです。
根本的には、私が作業ごとの期日管理をしなかったことが原因だと思います。
XXさん(上司)のお考えはいかがでしょうか?”
そうは言っても、詰められる最中に、思考が回れば苦労しませんよね。
思考停止してしまったら、いったん逃げてもOK。
自分の頭で考えるから時間が欲しいと頼んでみましょう。
もしくは、上司に聞いてしまうのもあり。
そのときもコツがあります。
自分で考えろと再び詰められないよう、思考の足跡を見せましょう。
例えば、
“直接的な問題は、XX作業が遅れたからだと思うのですが、考えが及ばず申し訳ありません。
どのように考えると良いか、ご指導いただけるとありがたいです。”
指導のケースなら(パワハラ上司のケースと違い)、こちらの意見も聞いてくれます。
自分の考えを上司とすり合わせし、問題と原因をよく理解しましょう。
6-3.問題点に対する解決策を上司と確認する
次は、原因に応じた解決策を考えます。
先の例なら、”作業ごとの期日管理を解決策”として上司に提案します。
もし解決策として不十分なら、上司のアドバイスを受けながら見直せばOKです。
6-4.解決策を実行する
あとは解決策を実行します。
解決策を実行するときは、以下のポイントに注意しましょう。
- 解決策を実行したことを上司に報告する
- 解決策を実行したことによる効果を記録する
6-5.結果を振り返る
さいごは、結果を振り返り、上司に報告します。
失敗が無くなれば、上司は詰める理由を無くします。
ここで大切なマインドです。
もし、解決策の効果が無くても落ち込まないこと。
- 原因を見誤ったのか
- 解決策を見誤ったのか
- 解決策の実行方法に問題があったのか
これを振り返り、上司に報告、相談します。
上司の願いは、部下の成長。
詰める(厳しく問う)理由は、部下に自分で考えて欲しいから。
この願いを満たせば、もう詰められません。
ここまでの5ステップを実行したこと自体が、自分で考え、成長した証です。
7.まとめ|詰められるストレスから自分を守ろう
なぜ、私たちは詰められるのか?
その答えは2つ。
- ハラスメント
上司が感情を発散したいから - 指導
部下の成長を願うから(部下に自分の頭で考えて欲しいから)
この違いを見極め、ケースに応じた解決策、5つのステップを踏めば、自分を守れます。
詰められるストレスに悩むあなたにとって、この記事が少しでも役立てば嬉しいです。
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