連日連夜の残業。おつかれさまです。
唐突な質問ですが、
“最後にあなたが定時に帰ったのはいつですか?“
- 今日もあっというまに終電の時間
- 帰宅し、数時間後に出社
- 仕事以外に自分の時間はゼロ
こんな状態に限界を感じているのでは。
私も残業80時間/月の経験者です。
きついの一言。信じられないほどに過酷でした。
誤解を恐れず言えば“健康で文化的な最低限度の生活”を満たさないレベル。
どう考えても異常でした。
第二十五条
日本国憲法
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
この記事では、当時の私の生活を公開。
残業80時間の危うさと、この苦しみから私が抜け出した方法を紹介します。
(正直、秘めたい過去ですが、みなさんの参考になればと思い、さらけ出します。)
明るい時間に帰る清々しさは、
これ以上ない贅沢です。
1.残業80時間のきつい生活を公開
数年前の私は、炎上プロジェクトのメンバーとして働きました。
数か月間、80時間の残業生活が続き地獄を見ました。
当時の生活を振り返り、ここに公開します。
1-1.残業80時間のきつい生活|仕事以外は何もできない生活
ほんとうに、仕事以外は何もできません。
生理活動(食事、排便、入浴、睡眠)以外は、すべての時間を仕事に捧げました。
- 1日に4時間以上の残業
- 自宅から勤務地まで1時間半の通勤
- 帰宅時は日付を跨いでいる
帰宅後は、食事と入浴を済ませ、ベッドに倒れこみ、気絶するように眠ります。
翌朝は、眠気と倦怠感で鉛のように重い身体を無理やり起こし、また会社に向かいます。
1-2.残業80時間のきつい生活|1日の生活スケジュール
1日のスケジュールは、こんな感じでした。
時間 | 行動 | 生理活動or仕事 |
06:00~06:30 | 起床・身支度 | 生理活動 |
06:30~08:00 | 移動 | 仕事 |
08:00~08:30 | 食事 | |
08:30~12:00 | 仕事 | |
12:00~13:00 | 昼休憩・睡眠 | 生理活動 |
13:00~23:00 | 仕事 | 仕事 |
23:00~24:30 | 移動 | |
24:30~01:30 | 風呂、食事、家事 | 生理活動 |
01:30~06:30 | 就寝 | 生理活動 |
自由な時間は、1秒もありません。
古代ギリシャの奴隷より仕事をしました。
1-3.残業80時間のきつい生活|休日の生活
さらに、休日には家事・育児が待ち受けます。
平日は妻に任せきり。妻も疲弊しています。
私は休日にできる限りを尽くします。
- 買い出し
- 掃除
- おむつ替え
- 風呂
- 歯磨き
- 寝かしつけ
それでも、妻からぶつけられる不満。
365日働き続ける生活。
たった1日で良い。1日だけでも休ませて欲しい。
そう願いながらも、休まずに働きました。
2.残業80時間の生活はきついのも当然、普通じゃない
残業80時間生活はオカシイにもほどがあります。
普通ではありません。
2つの観点で、異常さをお伝えします。
- 法的な残業時間の上限
- 平均残業時間との比較
2-1.残業80時間の生活はきついのも当然|法的な残業時間の上限
労働基準法上、残業時間の上限は、月45時間・年360時間。
特別の事情がなければ、超えられません。
労使協定(36協定)により、月45時間の超過も認められますが、以下の規制があります。
- 複数月平均80時間以内
- 月100時間未満
- 年720時間以内
- 年6回まで
残業80時間は、過労死ラインとも言われます。
脳・心臓疾患の労災認定-過労死と労災保険|厚生労働省
そのため、法制度は、月平均80時間の超過を防ぐよう設計されています。
法制度をひも解いても、残業80時間は危険なレベルだとわかります。
2-2.残業80時間の生活はきついのも当然|平均残業時間との比較
厚生労働省の調査※では、ひと月の平均残業時間は13.8時間。
1日あたり40分程度です。
パーソルキャリアの調査※※では、ひと月の平均残業時間は22.2時間。
1日あたりの70分程度です。
調査機関による差はあれど、やはり80時間は異常だとわかります。
※※「平均的な残業時間はどのくらい?1日2時間は多い?_MiTERAS(by PERSOL)」
3.残業80時間の生活は信じられないほど”きつい”
残業80時間の生活はきついです。
信じられないほど過酷。
繰り返しますが、“健康で文化的な最低限度の生活”を満たさないレベル。
残業80時間の生活を送る私に起きた異変をお話しします。
いつの間にか、ジワジワと、自分でも気付かない間に、蝕まれてました。
3-1.残業80時間の生活は”きつい”|電車で気絶する
毎日の睡眠時間は約4時間。
通勤電車では、立つ気力も体力も無く、始発駅で乗車し、座席を死守しました。
座席に腰を下ろすと同時に気絶。
異常な眠気です。
3-2.残業80時間の生活は”きつい”|倦怠感で全身が重い
休みない労働が、静かに全身をむしばみます。
- 毎日の長時間労働
- 積みあがる睡眠負債
- さらに待ち受ける家事・育児
異常な倦怠感に悩みました。
運動の時間と気力もなく体力が落ち、さらに疲れが溜まる悪循環でした。
3-3.残業80時間の生活は”きつい”|ストレスが半端では無い
通常の勤務時間に加え80時間の残業。
仕事中は多くのストレスに遭遇します。
- 理不尽
これは自分の責任なのか?・・・ - 責任
失敗したらどうしよう・・・ - 焦り
期日までに終わらせないと・・・ - 失敗
ヤバいっ!どうすれば・・・
あらゆるネガティブな感情が渦巻き、ストレスに悩みます。
3-4.残業80時間の生活は”きつい”|限界を超えるとうつになる
この生活が続くと、身に異変が起きます。
- 朝、布団から出られない
- 頭が回らない
- 会議に集中できない
- 話しかけられても押し黙ってしまう
- メール、チャットに返信できない
- 電話に出られない
- 止まらない冷や汗
心の中でつぶやきます。
- “きつい・・・”
- “しんどい・・・”
- “だれか助けて・・・”
でも、誰も助けてくれません。
苦痛に耐えながら、私は仕事を続けました。
そして、ついに限界を迎えます。
仕事が手につかず、病院に向かいました。
うつ状態でした。
4.残業80時間はきついのも当然というか会社がヤバイ
残業80時間の仕事をさせる会社はヤバイにもほどがあります。
なぜなら、先にお話ししたよう残業80時間は「過労死ライン」。
従業員のキャパシティを超えています。
もっと言えば、会社のキャパシティを超えています。
労働時間からブラック企業を判断しよう!3つの基準と取るべき行動|クエストリーガルラボ
まともな会社なら、人員追加、仕事の抑制など、組織的な対策を打ちます。
“異常な状態を放置できること”自体がヤバイ会社の証です。
5.残業80時間のきつい生活から抜け出す方法
絶望を経験した私は、ふつうの生活のありがたさを、しみじみと感じています。
・・・さて、私はどのように地獄から抜け出したのでしょうか。
5-1.残業80時間のきつい生活から抜け出す方法|相談する
定石ですが、上司に相談しましょう。
この状態が会社にも不利益なことを伝え、仕事量を減らすなど、対策をお願いしましょう。
- 現状を伝える
仕事量が限界を超えていることを伝える。 - 会社への損失を伝える
この状態では仕事をさばけず、会社に迷惑をかけることを伝える。 - 対策案を相談する
他の同僚や、委託、派遣に分担など、仕事量を減らしてもらえないか相談する。
まともな上司なら、対策を打ってくれるハズです。
これでダメなら、見切りをつけて他の方法を考えましょう(涙)
5-2.残業80時間のきつい生活から抜け出す方法|帰宅する
仕事を残しても構いません。
定時で帰りましょう。
・・・そうは言っても、
- “残した仕事はどうするんだ”
- “翌日に苦労するのは自分だ”
- “早く帰ると白い目で見られる”
休めない理由が山ほど思いつきますよね。
気持ちはよーくわかります。
それでも、もう一度、言います。
定時で帰りましょう。
なぜなら、そもそも残業80時間の業務量は異常。
終電まで残業したら終わりますか?
いつまで、この生活を続けますか?
スタンフォード大学の研究では、一定量を超え仕事をすると生産性が落ちると結論付けています。
研究によると、1週間に働く時間数が50時間を上回ると、1時間当たりの生産性が激減し、さらに1週間に55時間以上の仕事をする人に関しては、働く意味がないほどに生産力がかなり低下します。
引用元:How Successful People Work Less and Get More Done | Entrepreneur /訳:野上
要するに1週間に70時間以上働く人の仕事量と1週間に55時間働く人の仕事量は同じということです
あなたの責任感には尊敬です。
でも、ちょっとだけ、考え方を変えてみませんか?
この異常な会社に責任感はあるでしょうかね。
おかしな会社のために、自分を犠牲にしないで欲しい。ただそれだけです。
定時まで働けば、十分に会社員の責任を果たしてます。
あきらめずに、もう一度、言います。
定時で帰りましょうよ。
5-3.残業80時間のきつい生活から抜け出す方法|異動する
いま所属する部署が“特別に”忙しいなら、他の部署に異動すれば、残業80時間から抜け出せます。
実際に私は、炎上プロジェクトを終えて異動しました。
信じられないほど楽になりました。
おなじ会社か?と思いました。別世界です。
“・・・異動できないから困ってるんだよ”
そんなあなたにコツをお話ししますね。(体験談)
この2つの行動を続ければ、部署異動の道が開くこと間違いなし。
(・・・言い過ぎました。でも効果はあると思います)
- キャラを確立する
得意な仕事に手を挙げ、引き受け続けること。
“〇〇ならこの人”とキャラクターイメージをつくります。 - 上司を洗脳する
洗脳は言葉が強すぎましたが、上司との面談、雑談、飲み会など、あらゆる場面で“〇〇部に行ってみたいんですよね”と言い続けること、上司の意識に刷り込みます。
※ネガティブな理由(今の職場が嫌など)ではなく、ポジティブに伝えると心象が良く、成功確率が高まります。
なぜなら、人事は結局”ヒト”が考えることだから。人事異動には、明確な判断基準がありません。つまり、上司の“感覚”で決まります。
上の行動を続ければ、上司が異動のことを考えた時に、あなたのことが頭に浮かびます。
これを実践して失うものはありません。騙されたと思って試してみてください。
もし、そんな余裕が無ければ、限界に近い証拠。正直に、いまの辛さを打ち明けましょう。
5-4.残業80時間のきつい生活から抜け出す方法|休職する
多くの会社では休職制度があります。
診断書が条件ですが、病気やケガで就業義務を果たせない場合、就業免除、従業員を休ませる制度を定めます。
(正確には、お勤めの会社に確認してください)
・・・その後の復帰など、今後のキャリアを考えると、心理的な抵抗があるかもしれません。
でも、身体が一番大切です。
気持ちはわかります。
でも、身体を壊して働けなくなるよりはマシですよ。
5-5.残業80時間のきつい生活から抜け出す方法|転職する
何度も繰り返しますが、残業80時間は会社として異常。
正常な会社を探しましょう。
・・・そんな簡単に言われても。
- 忙しくてそんな時間は無い・・・
- 次の会社も激務だったら・・・
- 自分なんかを雇ってくれる会社があるのか・・・
私もそう思っていました。
そんな不安を感じたあなたにこそ、転職“活動”をおすすめします。
その意味は、こちらの記事を読めばわかります。
5-6.残業80時間のきつい生活から抜け出す方法|退職する
最後は退職です。
できれば、直近の生活やキャリアを考え、上の4つの方法で解決したいところ。
でも、いますぐ避難が必要な職場なら、退職しかありません。
直近の生活が困らぬよう、制度を利用しましょう。
- 失業手当
失業中の生活を心配せず、新しい仕事を探すために、失業給付が支給されます。
病気やケガで働ける状態でない人は、失業手当を受給できない可能性があります。
ハローワーク - 傷病手当
傷病手当は、基本的には在籍期間中の欠勤による生活保障制度です。ただ、条件により継続受給が可能です。
詳しくは、健康保険の加入先(健康保険組合や協会けんぽ)に確認しましょう。
協会けんぽ
6.まとめ|残業80時間の生活はきつい。
残業80時間は、ほんとうに”きつい”です。
人間がすべき仕事量ではありません。
私は、幸運にも残業80時間の生活から抜け出せました。
ただ、あと少しこの生活を続けていたら・・・。
せっかく現代に生まれたのに、これでは奴隷と変わりません。
壊れる前に、手を打ちましょう。
この記事を読んだあなたが、残業80時間の苦しみから抜け出し、人間らしい生活を取り戻せたなら、私のつらかった過去も報われます。
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